SRE サイトリライアビリティエンジニアリング ―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム
- 作者: 澤田武男,関根達夫,細川一茂,矢吹大輔,Betsy Beyer,Chris Jones,Jennifer Petoff,Niall Richard Murphy,Sky株式会社玉川竜司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2017/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
言いたいこと
障害対応時のストレスを減らすことで、(人を含めたシステムの)信頼度を上げることができる
なので、ストレスを減らす施策を積極的に打ちましょう
なんでストレスの無い障害対応がだいじなの?
- ストレスホルモンが生じると、人間は、認知機能が下がり、直感・反射で動くようになる
- 障害対応は、実測→仮説→検証の繰り返しなので、感や経験で動いても良い結果を生み出さない
- そのため、理性的な障害対応を行えるようにするためには、担当者にいかにストレスを生じさせないかがキモになる
どうすれば、ストレスを感じずに障害対応ができるようになるの?
以下のようなことを予め準備/共有することで、担当者の負担感を下げ、心理的安全性が確保できる
- 明確なインシデント管理の手順
- インシデント発生時の役割分担
- 振り返りでは避難されないことを明示(後述
インシデント発生時の役割分担
役割分担を明確にすることで、メンバーの負担感を下げ、それぞれが正しい目的に注力できるようになる
- 責任者: 他メンバーへの責任の割当、作業効率の障害を取り除く、ライブインシデント対応ドキュメントの作成
- 実行担当: インシデントに直接対応するメンバー
- コミュニケーション: 公の顔。チームとステークホルダーに状況を共有し続ける役割
- 計画: 長期的な課題を扱う。引き継ぎの調整、夕食の発注、最終的に通常の状態に戻す準備など
ストレスを減らすために個人的にできること
- 「障害が発生したからといって世界が終わるわけではない」ということを意識する
- 自分の感情に注意を払う。パニックや圧倒されているという感覚が生じたら、メンバーに支援を求める
感想など
- 障害対応のストレスから人間の認知機能の話が出たのが興味深かった
- 振り返りときに対応者が「どこにストレスを感じたか?」を記録すると、仕組みの改善の余地が見えそう
- 自分も障害対応時には、視点が狭くなったり、ステークホルダーとの共有がおろそかになる。それを減らすためなに、役割の分担を次回の障害対応時にやってみたい